トリクルダウンというのは,
「富める者が富めば,
貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する。」
という考えを基本とする経済理論の一つです。
英国の精神科医・思想家であるバーナード・デ・マンデヴィル
がこの考え方を最初に提示しています。
国家や経済界など広いレベルでの富の拡大が
貧困層の改善につながることはまだ立証されていませんので
「トリクルダウン仮説」とも呼ばれています。
「富裕層の所得が高まるだけ」、「先進国には通じない」、
「富が下から上へ流れる状況を予想できなかった時代の理論」
など、批判も多いとされています。
一方、安倍政権は、経営者に賃上げを促し、
それを受けて,一部の経営者からは賃上げに前向きな意見が
出ています。
組合側も,5年ぶりにベアを要求するといわれていますが、
しかし、消費主導型の自律回復が実現するかどうかは
今のところわかりません。
アベノミクスは,企業主導型の経済成長で、
企業向け減税や規制緩和,TPP,公共投資などで
企業収益や設備投資の拡大を図り,
その成果が家計にトリクルダウンする(したたり落ちる)
ことで,消費も回復することが期待されている。
しかし,そのようなトリクルダウンが
実現するかどうかについても
今後どうなるか見届ける必要がありそうです。